更年期障害
2020.10.22

更年期障害①

生きている限りたいへんなことはたくさんありますが、家庭・仕事両方の責任が重くなる40~50歳代の女性は本当にたいへん。疲れきっている方がたくさんおられます。そして、ちょうどこの年代に更年期が重なってくるんですね。不眠が始まったり、なぜだか不安といったメンタルの症状や、首から上だけ汗をかく(ホットフラッシュ)という自律神経症状など、さまざまな不調がでてきたりします。

そこへ月経不順や経血の状態の変化などがあれば、やっぱり「これって更年期??」と思いますよね。

当院には、そう言ってご相談にみえる患者さんが大勢いらっしゃいます。

患者さんの症状はさまざまですが、拝見していて思うのは「更年期症状=元々もっていた不調の増大または顕在化」ということです。「増大」とは、例えば不眠であれば「元々考えすぎる方だったけど、最近は考え始めると寝つけなくなった」とか、ホットフラッシュの方なら「元々火照る方だったけど、最近はポタポタ落ちるほどの汗が急にでる」とか。「顕在化」とは、例えば、漢方的にみると体が華奢な陰虚体質の方に慢性的な睡眠不足と更年期が重なって、虚熱症状(ホットフラッシュ)が現れる、とかいうことです。

漢方的な話はややこしいので別のコラムで説明しますが、とにかく更年期障害が現れるのにはそれなりの背景があり、その背景を整えることによって予防や改善をすることができる、と私は考えています。そしてもっと言えば、更年期障害は疲れてきた体が出している「分かりやすいサイン」であって、このサインをうまくキャッチして体質改善できれば、その後の人生をよりハッピーに生きることができる、んじゃないかと思うのです。

「更年期はとにかく終わるまでガマン」ではなく、「そうかそうか、私の体はそうなってきたのか、じゃあこういう生活に切り替えてみよう」と思えるようになったら、この時期をより積極的に楽しく過ごしていくことができそうです。

何回シリーズになるか分かりませんが、次から具体的なお話を書いてこうと思います。(しのぶ)