漢方豆知識
2022.07.01

足を見る② ー細絡ー

前回は足の重だるさの原因には、むくみだけでなく「血行の悪さ」もあるとお話ししました。

自分の足の血行はどうなのか、今回はその見方をお話ししていきます。

まず西洋医学的は、足の血行が悪い=静脈瘤ということになります。膝の内側の少し下の辺りにポコポコと節ができるように静脈が浮き上がってくる、アレです。静脈瘤は足に流れた血液がスムーズに心臓に戻ることができず、足先の方向へ逆流してしまうことで起こります。こうなると足に必要以上の血液が溜まることになるので、重だるさの原因になってしまうんですね。足がよくこむらがえりを起こす方も静脈瘤が隠れているかもしれません。

さて本題ですが、漢方的には血行が悪いことを「瘀血」と言います。静脈瘤のようなポコポコがなくてもまだ安心できませんよ。瘀血がある方の足によく見られるのは「細絡(さいらく)」です。静脈瘤のように血管が盛り上がって浮いてくることはありませんが、クモの糸のように細かーい血管が表面にホワホワと浮き上がって見えてきます。下に写真をつけましたが、お分かりになるでしょうか。分かりやすく丸で囲んだ以外にも怪しいところがありますね。これは男性よりも女性の方に多く見られ、中年以降は特に増えてくるように思います。

そして、足が重だるい方で静脈瘤まである方は珍しいですが、細絡がある方はとても多い!漢方は一箇所・一症状だけを見て診断することはありませんが、例えば、むくんでいないのに足が重だるい+生理前に頭痛がする+細絡と揃ってくれば、瘀血の治療を考えます。

足が重だるくて、ご自身の足に細絡を見つけてしまった方、まずは血行を良くするためのセルフケアを始めましょう。一番簡単なのはお風呂に中でふくらはぎをマッサージすることです。もう少し頑張れそうであれば、カーフレイズ(かかと上げ運動)もいいですね。

ちなみに見本の写真は私の足なんですよ。著作権の問題がないように、恥を忍んで写しました(涙)。私も1日中座っていることが多くて、足の血行はどうしても悪くなりがちです。カーフレイズはいつでもどこでもできる運動なので、毎日するように心がけています。