慢性鼻炎
2022.03.27

花粉症からの防衛方法

今年は花粉飛散が多いようですね。3月に入ってから花粉症の患者さんが増えています。

ふだん更年期障害などで通院中の方とお話しをしていても、花粉症でない方が珍しく感じる今日この頃…。

さて、花粉症はアレルギーなので花粉をいかに避けるかが問題、色々な対策グッズもありますが、漢方的に考えるともっと大切な対策があります。

それは食べ方。

これまでのコラムのなかでも、お腹いっぱい食べないように、胃の負担を避けることが大切とたびたびお話ししてきましたが、花粉症でもそれは同じです。同じように花粉に曝されても過剰に反応しない体を作っていく、その基礎になるのは胃なのです。順にご説明していきます。

花粉症の症状は人それぞれですが、鼻水、喉のイガイガ、目の痒み、倦怠感、微熱など、風邪に似た症状が多く、最近では新型コロナウイルス(オミクロン株)と区別がつきにくいという報道もありますね。

原因が花粉なのか、ウイルスなのか現代医学では区別して考えますが、漢方は原因がなんであれ症状から診断をし、治療をおこないます。花粉症に関して言うと、これは高熱が出ないながらも風邪が長引いてスッキリしない状態と同じと捉えることができるので、風邪のお薬を応用してもちいていきます。有名な小青竜湯もそうですね。

そして、前回の風邪の食養生でもお話ししたポイント、肉、小麦製品、辛いもの、アルコール、乳製品を避けること、は花粉症の時期にもとても大切です。これらを食べ過ぎると胃に不要な水が溜まり、花粉の刺激によっててきめんに鼻水が増えたり目の痒みが悪化したりします。

自分の胃がどの程度花粉に過敏なのか、見分ける方法に舌診があります。細かい点は省きますが、舌が腫れぼったくてフチにギザギザと歯の痕がついている方、黄色っぽい苔が舌に生えている方は、必ず上記の養生を守ってください。すでに胃に要らない水が溜まったり、胃に熱がこもったりしており花粉による影響を受けやすくなっています。

同じように舌が腫れぼったくても、白い苔がべっとりとついている方、舌自体の色が青みがかっている方は、胃が冷え切っている可能性があります。このような方はさらに胃を冷やしてしまう果物や生野菜などを避け、生姜を毎日の食事に取り入れるようにしてください。

花粉症は体質だからとあきらめることはありません。食事に気をつければ必ず効果が現れますし、続ければ来年の花粉症が軽く済む可能性もあります。まずは1週間頑張ってみましょう。