漢方豆知識
2021.07.19

夏の頭痛

梅雨が明けました。湿気の重だるさから抜ける分、今度は暑さへの対応が必要になりますね。

夏の熱中症については、毎日のニュースでも「こまめな水分補給と休憩を」としつこく流れていますが、室内でお仕事をされている皆さま、他人事と思っておられないでしょうか?

熱中症の「顔を真っ赤にして大汗をかいて頭がクラクラして倒れる」という症状は、さすがにクーラーの効いた室内では起こりにくいですが、軽い脱水症は室内でもよく起こります。

特に席を離れてトイレに行きにくいお仕事の方は、喉が渇いても仕事中にあまり水分を摂らない傾向があり、夏場はかんたんに脱水症になります。

症状としては、お昼から夕方にかけての強い倦怠感、立ちくらみ、頭痛、吐き気が多いのですが、思い当たる方はいらっしゃいませんか?夜nにお酒を召し上がる方では朝に症状が現れることもありますが、いかがでしょうか?

今思えば私も勤務医時代、時々脱水症状を起こしていました。病院では外来、病棟、医局など案外動き回ることが多く、特にお昼休憩をしっかり取れない日などに夕方吐き気がしてきて、「食べてないのに吐き気がするなんて・・」とちょっと不思議に思っていました。が、なんのことはない脱水症状ですね。

あと頭痛も多い症状です。お仕事の日だけ頭痛がするという方は結構いらっしゃいますが、水分補給ができているか、ぜひ思い返してみてください。水分が摂れているかの一番簡単なチェック方法は、排尿できているかということです。「会社に一日いても1回か2回しかトイレに行かない」という方は脱水が疑われます。また、朝食前と帰宅後の体重を比べるのも良い方法です。帰宅後の体重の方が少なければ、脱水かもしれません。

水分量としては、基本的には喉の渇きを目安にすればいいのですが、仕事をしていると渇きを忘れてしまう方も多いので、夕方の倦怠感や頭痛のある方は1時間に100ml程度水分を摂るように意識してみてください。また、食事から適切に塩分が摂れていることも大切です。朝はパンとコーヒーだけ、という方は、夏場はあえてスープをつけるとか、塩をふった野菜をつけるとか。ランチにインスタントでもいいからお味噌汁を加えるのも効果的です。ぜひ夏用のメニューを考えてみてくださいね。

それでも症状が続く場合は、少し漢方薬も飲んだ方が早く治りますので、一度ご相談いただければと思います。