漢方豆知識
2021.03.27

ダイエット④ ー食事法編ー

今回は、「どう食べるか」というテーマのお話です。

ネットでも雑誌でも「痩せる食事」はいつもホットな話題ですね。さまざまな食事法が紹介されていて、どれ実践したらいいのか分からなくなります。

でも、一つ確かなことは、自分が長く続けられない方法は初めから選ばないこと。一時的に極端な方法をとって痩せたとしても、元の食事に戻ればリバウンドするのは目に見えています。また、体に良い食事というのは、いまあなたが太っていたとしても、痩せすぎであったとしても同じはずです。なので、私が食事療法を指導するときは、肥満の方でも痩せすぎの方でも基本的な考え方は同じです。

では、具体的な方法をご説明します。食事で大切なのは全体の量とバランスですので、私は「手ばかり法」をお勧めしています。手ばかり法とは、手のひらを一つの物差しとして食べる量を決める方法で、1回の食事でタンパク質は片手に乗るくらい、野菜は両手に乗るくらいを目安にします。炭水化物だけは痩せたいか太りたいかで変え、痩せたい場合はこぶし一つ分程度、そうでない場合は両手ですくえる程度にします。基本はこれだけ、とても簡単ですね。もし、この量でどうしても足りない場合は、タンパク質か野菜であれば増やして構いません。(あと欲を言えば、海藻やきのこ類を週に2回くらいは摂っていただくといいです。特に便秘気味の方)

このような食事を1日3回が理想ですが、実際そこまでしっかりと食事をするのは大変です。その場合は1日2回の食事は手ばかり法に従って、あと1回はヨーグルトと果物だけ、とか、パンとサラダだけなどの軽食でも構いません。軽食の場合で注意していただきたいのは、パンだけとか、うどんだけといった炭水化物のみの食事は避けること。炭水化物のみの食事は血糖値を急激にあげるため、痩せにくい体をつくる原因になります。もし、コンビニでおにぎりを買うような場合でも、豚汁をつけるとか、おひたしをつけるなどして、最低でも野菜かタンパク質のどちらかは一緒に摂る癖をつけましょう。

あと問題になるのは、小腹が空いた時にどうするかという点です。例えば、家に帰って夕食を作る前に何かお腹に入れたい、そんな時もできれば炭水化物メインのスナックなどは避けて、ナッツや豆、ヨーグルト、ゆで卵など脂質かタンパク質を意識したものを選ぶようにしてください。でも、おやつは「心の栄養」ですから、たまのご褒美に好きなスイーツを食べるのは構いません。そんな時は罪悪感を感じずに、しっかり味わって心のエネルギーをチャージしてください。

この方法に従って食事をしていただければ、糖質をコントロールしているだけで、必ず健康的に痩せてきます。また、この食事法は習慣化されやすく、苦もなく続けていくことが可能なものです。

ただ、何事もやり始めは辛いもの、習慣化するためにはコツがあります。それは「計測・記録・共有」の3つ。これはどんなダイエットにも言えることですが、食事の内容を全て書き出すことは有効です。当院では専用の用紙をお渡しして診察のたびに確認させていただいていますが、毎回記録して持って来られる方は必ずダイエットに成功されています。

 

今回はちょっと漢方とは離れたお話になってしまいました。最後に、江戸時代に書かれた「養生訓」という書物から、

「珍美の食に対すとも、八九分にてやむべし。十分に飽き満つるは後の禍(わざわい)あり。少(すこし)の間、欲をこらゆれば後の禍なし」。(珍しいものや美味しいものがあっても、腹八分か九分でやめること。食べ過ぎは後で禍の元になる。10分ほど我慢すれば食べたい気持ちはなくなり、食べ過ぎを防ぐことができる)

「飲食を少なくして胃を養い、言を少なくして気を養うべし」(食べ過ぎをなくして胃を痛めないようにすること、しゃべり過ぎをなくして疲れないようにすること)

おしゃべりも過ぎるといけないようです。お後がよろしいようで。(しのぶ)